・B型肝炎とは?
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって起こる肝臓の病気です。
乳幼児がHBVに感染すると、すぐには肝炎を引き起こさなくても、HBVが肝臓に住み着いた状態になりやすく、成人になった後に肝硬変・肺がんを発症したり、免疫が落ちた時に重度の肝炎を引き起こすことがわかっています。
2016年10月1日より、0歳のお子さんを対象に定期接種が開始されました。
ぜひ、予防接種を受けましょう。
・接種を受ける時期と間隔は?
【対象者】
定期接種対象年齢は、生後2~9か月に至るまでを標準的な接種期間として、生後1歳に至るまでとされています。
【回数】
3回の注射(1回目から4週間後に2回目、更に20~24週の間隔をおいて3回目を注射。)
・副反応は?
だるさ、発熱や接種部位の痛みなどが報告されています。問題となるような副反応の頻度は極めて低いです。
・ヒブ(インフルエンザ菌b型;Hib)とは?
インフルエンザ菌は子どもの細菌性髄膜炎を起こす代表的な菌のひとつです。
日本では、ワクチンが普及するまでヒブ髄膜炎は、年間600人の子供たちが発症していたと推定されていました。2013年4月から定期接種が開始され、罹患率は大幅に減少しています。今後も、ワクチンによる予防が大切です。
・接種を受ける時期と間隔は?
ヒブ感染症は、ほとんどが生後3か月~4歳までに発症しますので、生後2か月からヒブワクチンの接種が効果的です。
【対象者】
生後2か月~5歳未満
※標準的な接種開始年齢:生後2~7か月未満
【回数】
4~8週間間隔で3回の皮下注射
・副反応は?
ごくまれに腫れや発熱、発疹、じんましん、かゆみなどがみられることがありますが、これらは通常一時的なもので、数日以内に消失します。
・肺炎球菌とは?
肺炎球菌はインフルエンザ菌とならんで子どもの細菌性髄膜炎や菌血症といった侵襲性感染症の原因菌として知られています。その他にも、肺炎や気管支炎・中耳炎などを起こします。
2013年11月より13価肺炎球菌結合型ワクチンが定期接種になりました。
・接種を受ける時期と間隔は?
ヒブワクチンと同じように生後2か月から接種できます。早めに接種しましょう。
【対象者】
生後2か月~6歳未満
※標準的な接種方法
接種開始年齢:生後2~7か月未満
【回数】
27日間以上の間隔で3回の皮下注射
・副反応は?
接種部位が赤くなる、腫れるまたは全身では発熱等がありますが、重篤例の報告はまれです。
・四種混合ワクチンは、どんな病気を予防する?
●ジフテリア
●百日せき
●破傷風
●ポリオ
・接種を受ける時期と間隔は?
【対象者】
生後3~90か月まで
1期…初回免疫(四種混合)
標準:3~12か月まで
【回数】
3~8週間の間隔で3回の皮下注射
1期…追加免疫(四種混合)
初回免疫終了後6か月以上
【回数】
1回の皮下注射
2期
【対象者】
11,12歳
【回数】
1回の皮下注射
・副反応は?
注射部位が赤くなる、腫れる、しこりができる、また全身では、発熱、下痢などがありません。
機嫌が悪くなったり、腫れが目立つときなどは、かかりつけ医にご相談下さい。
不活化ポリオワクチンなのでワクチン関連麻痺の心配はありません。
・BCGで予防できる結核ってどんな病気?
日本では現在でも毎年2万人以上の結核患者が発生しています。
また乳幼児が結核に感染すると粟粒結核や結核性髄膜炎などになり、重い後遺症を残すことがあります。乳幼児早期にワクチンを接種しておくと、成人に対する肺結核の発病予防効果は50%、小児の粟粒結核や結核性髄膜炎の発病防止に対しても高い有効性が報告されています。
・接種を受ける時期と間隔は?
【対象者】
生後1歳に至るまで(標準:生後5~8か月に達するまで)
【回数】
1回
・副反応は?
接種後3日から10日目頃までに接種部位に明らかな発赤・腫れ、針痕部位の化膿などがみられた場合、赤ちゃんが結核に感染している場合が高いので、すぐかかりつけ医に相談しましょう。
2~4週後に接種部位が赤くなったり、うみが出たりするのは異常反応ではなく免疫が正しくついた証拠です。
・麻しん(はしか)ってどんな病気?
麻しんウイルスは極めて感染力が強く、発熱、咳、鼻水、目やに、発疹を引き起こします。
主な合併症は、気管支炎、肺炎、中耳炎、脳炎などがあります。予防接種をすれば、合併症はほとんど起こりません。ぜひ、予防接種を受けましょう。
・風しん(三日はしか)ってどんな病気?
風しんは感染者の咳やくしゃみなどで飛沫感染します。
年長児や大人の場合は重症になることが多いです。また、妊婦が妊娠初期にかかると先天性風しん症候群といって先天性心疾患、難聴、白内障などをもつ赤ちゃんが生まれる可能性があるので、妊娠前に免疫をつけておく必要があります。
・接種を受ける時期と間隔は?
【対象者】
生後12か月以上
1期
【対象者】
生後12~24か月に至るまで
【回数】
1回の皮下注射
2期
【対象者】
5~7歳未満で小学校就学前1年間
【回数】
1回の皮下注射
・副反応は?
このワクチンは、麻しんと風しんのワクチンを混ぜたものです。接種してから1週間後に37.5度以上の発熱、発疹などがみられることがありますが、通常1~2日で焼失します。
・日本脳炎ってどんな病気?
日本脳炎は人から人への直接感染するのではなく、感染した豚の体内で増えたウイルスを蚊が媒介して感染します。6~16日間の潜伏期間の後、高熱、嘔吐、頭痛、けいれん、意識障害などの症状を示す急性脳炎になることがあります。
脳炎にかかったときの死亡率は約20~40%、神経に後遺症が残る人は約45~70%にもなる重病です。
・接種を受ける時期と間隔は?
1期
【対象者】
生後6~90か月に至るまで
【回数】
1~4週間間隔で2回の皮下注射
2期
【対象者】
9~13歳未満
【回数】
1回の皮下注射
・副反応は?
まれに発疹、じんましん、かゆみなどがみられることがあります。
全身症状としては、37.5度以上の発熱、咳、鼻水、悪寒、頭痛、倦怠感、吐き気など、局部症状としては接種部位に腫れ、痛みなどが見られることがあります。
・子宮頸がんってなあに?
子宮頸がんは、20~30代の若い女性で急増している女性特有のがんです。日本では、年間約20000人が発症し、約3500人がなくなっています。子宮頸がんの発症ピークは35~39歳と若年化していることに加え、出産年齢が高齢化しているため、子宮摘出・若い女性が命を落とすことによる損失は大きく、予防は急務です。
・接種を受ける時期と間隔は?
【対象者】
小学6年生~高校1年生相当の女児
【回数】
3回の筋肉注射
・副反応は?
注射した部位の痛み・腫れなどがあり、8~9割の頻度で報告されています。通常は数日でおさまりますが、長く続いたりしびれ・脱力などの症状が現れた場合は、かかりつけ医にご相談ください。
・水痘(みずぼうそう)とは?
水痘・帯状疱疹ウイルスの空気感染、飛沫感染、接触感染で起こります。初感染では、発熱とともに全身に水疱性(すいほうせい)の発疹が出ます。
・接種を受ける時期と間隔は?
【対象者】
生後12ヶ月以上
※定期接種対象年齢は、生後12~36か月に至るまでとされています。
【回数】
3ヶ月以上の間隔をあけて、2回の皮下注射
・副反応は?
発熱、発疹が見られることがありますが、一過性で通常数日中に消失します。
・A型肝炎ってどんな病気?
A型肝炎ウイルスにより発症する感染症で、ウイルスに汚染された水やカキなどの二枚貝類などを生で食べることにより感染します。潜伏期間は2~7週間で38℃以上の発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛などの肝炎症状が急激に強く出るのが特徴です。
・接種を受ける時期と間隔は?
【対象者】
WHOガイドラインでは、1歳以上の小児に接種を推奨しています。
【回数】
初回:2回の筋肉内または皮下注射
追加:初回接種後24週を経過した後に1回
・副反応は?
倦怠感、発熱、頭痛などが報告されています。
・ロタウイルスってなあに?
乳幼児に多く起こる感染症胃腸炎の原因となるウイルスのひとつです。5歳までには少なくとも1回以上は感染を経験すると言われており、特に重症化しやすいのは生後6か月から2歳までの乳幼児です。
毎年冬から初春にかけてロタウイルスによる感染症胃腸炎の流行がみられます。嘔吐、水のような下痢を繰り返すことが特徴で、発熱を伴うことも多くみられます。
・接種を受ける時期と間隔は?
ロタウイルスワクチンは、経口摂取するワクチンです。
(2回接種ワクチンと3回接種ワクチンの2種類あります。)
【対象者】
2回接種ワクチン
生後6週から開始し、4週間以上の間隔をおいて、24週までに2回接種します。
3回接種ワクチン
生後6週から開始し、4週間以上の間隔をおいて、32週までに3回接種します。
・副反応は?
いらいらする、怒りっぽいなど周囲の刺激に対して反応しやすくなる、下痢、咳や鼻水がでる。
腸重積症が報告されています。
・インフルエンザってどんな病気?
インフルエンザウイルスの感染により、高熱、鼻水、咳、全身倦怠感などの症状が出ます。
・接種を受ける時期と間隔は?
【対象者】
接種は生後6か月から可能ですので、かかりつけ医とご相談ください。
【回数】
13歳未満 2~4週間間隔で2回の皮下注射
13歳以上 1回または1~4週間間隔で2回の皮下注射
・副反応は?
接種部位が赤く腫れたり、発熱、頭痛など
・侵襲性髄膜炎菌感染症ってどんな病気?
髄膜炎菌が原因で起こる感染症で、くしゃみなどの飛沫感染により伝播し、気道を介して血中に入り、さらに血液や髄液にまで侵入することにより、敗血症や髄膜炎を起こします。
早期診断が難しい一方で、早期に適切な治療を行わないと急速に悪化し致死率の高い感染症です。
・接種を受ける時期と間隔は?
【対象者】
接種年齢は決められていません。
【回数】
1回の筋肉注射
・副反応は?
全身症状としての筋肉痛、倦怠感、頭痛、局所症状として注射部位の疼痛などが報告されています。
・おたふくかぜってどんな病気?
おたふくかぜの主な症状は、耳の下、頬の後ろ側、あごの下などの腫れです。
おたふくかぜは、低年齢ほど症状の出ない不顕性感染が多いと言われていますが、ほかの人への感染力を持っているので、定期的に大流行しています。
耳や顎の下の腫れがはじまった後5日を経過して、かつ全身状態が良好になるまで登園登校はできません。
・接種を受ける時期と間隔は?
【対象者】
1歳を過ぎたら、年齢と関係なく接種を受けることができます。
低年齢児で流行するので、保育所、幼稚園等の集団生活に入る前には接種をするのがよいでしょう。
【回数】
1回の皮下注射
・副反応は?
接種2~3週間後に耳の下が軽く腫れたり、微熱が見られることがあります。